PRESIDENT MESSAGE

会⻑のメッセージ

代表理事・会⻑
奥⽥ 晴宏

⼀般財団法⼈医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団

70周年にあたって
―RSと医療製品開発・薬事規制をつなぐハブを⽬指して―

⼀般財団法⼈医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団の創⽴70 周年に当たり、⼀⾔ご挨拶を申し上げます。
 本財団は、財団法⼈⽇本公定書協会として昭和31年に発⾜、今年6⽉21⽇で創⽴70周年を迎えました。この間、国内外の状況変化に対応しつつ事業を継続できたことは、賛助会員の⽅々はもとより産官学の関係の⽅々のご指導、ご⽀援の賜物であり、⼼より感謝を申し上げる次第です。

本財団の名称にも使⽤されている「レギュラトリーサイエンス(以下、RS)」は、当財団の元会⻑・故内⼭ 充 博⼠が1987年に初めて提唱された概念です。この概念は政府の施策に取り込まれ、2014年に制定された健康医療戦略推進法においては「医療分野の研究開発の成果の実⽤化に際し、その品質、有効性及び安全性を科学的知⾒に基づき適正かつ迅速に予測、評価及び判断することに関する科学の振興」としてRSの振興が謳われるにいたっております。

RSに⼗分に裏付けられた薬事システム(規制)は、医薬品医療機器(以下、医療製品)の品質・有効性・安全性の確保や市販後安全監視に不可⽋ですが、さらに迅速で効率的な製品開発にとっても必須です。

当財団の使命は医療製品の品質・有効性・安全性に関するRSを振興、公衆衛⽣の維持増進に貢献することです。本使命は、⽇本薬局⽅(以下、⽇局)の編纂⽀援を⽬的として設⽴されて以来、当初はRSという⽤語こそ⽤いられなかったものの⼀貫して継続しており、将来とも変わらないと考えています。

この使命を果たすため財団が現在実施してきた活動には2つの軸があります。

⼀つは、医療製品の品質・有効性・安全性に関するRS研究成果の理解促進のための事業です。科学的薬事規制の構築と運⽤ならびに効率的な製品開発に貢献することが⽬的であり、研修事業、出版事業、研究助成事業などを通じ以下の取り組みがなされています。

  • ①医療製品の開発に必須の体系的なRSの提供
  • ②RSの最新の成果や課題の共有
  • ③RSの実装のためのプラットフォームの提供(産官学からなるフォーラムの構築)

もう⼀つの軸は、産業界や規制当局で使⽤されるスタンダードの提供であり、⽇局標準品と医薬⽤語集を取り扱っています。

  • ①⽇局標準品等の製造頒布:⽇局は⼀般試験法等からなる⽂書標準と試験をするために使⽤される標準品から成り⽴っています。当財団は⽇局標準品の我が国における唯⼀の登録事業者としてその供給の責務を負っています。
  • ②ICH国際医薬⽤語集(MedDRA)⽇本語版の維持管理:医薬品安全監視の基盤の⼀つは適切な⽤語の使⽤にあり、本⽤語集の提供によりグローバルに患者の健康保護の改善を図ることができます。

当財団はRS情報発信にとどまらず、企業活動に必須なスタンダードそのものを提供しているという点で国内では他にあまり類を⾒ない存在です。今後もこの2つの軸を維持して活動してまいります。

特に、コロナ禍を経験してニューモダリティーの迅速な開発、そのための基礎研究成果を医薬品開発につなぐトランスレーショナル研究の重要性が再認識されました。⼀⽅、サプライチェーンや市場のグローバル化は著しく、安定供給や品質確保も依然として重要課題です。これら喫緊の課題解決を⽀援できる活動を実施していきたいと願っております。

そのために当財団には、下記に⽰すように(これだけに限定されるものではありません)強化すべき事項が多くあります。これらの課題解決に向けて注⼒してまいります。

  • ①先端科学を利⽤した評価技術やニューモダリティーのRSのキャッチアップ
  • ②国際化:海外情報の⼊⼿共有のみならず、⽇本のRS成果の海外に向けての情報発信も増強
  • ③AIの活⽤、次世代を担う⼈材育成

当財団の活動は当初品質分野が中⼼でした。その後社会の要請に応じて、産業界、アカデミアや規制当局と連携しつつまたご⽀援をいただきつつ⾮臨床分野からさらに有効性や市販後安全性までその範囲を拡⼤し、科学的な薬事規制の運⽤に寄与してまいりました。今後もさらに努⼒して、わが国の優れたRSの成果を効率的な製品開発や科学的な薬事規制へ繋ぐハブとして国内外から認知がいただける財団となれるよう努⼒してまいります。

関係の皆様の⼀層のご指導、ご鞭撻をたまわれれば幸いです。


令和8年6⽉
⼀般財団法⼈医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団
会⻑ 奥⽥晴宏

HISTORY

沿⾰(歴史)
70年のあゆみ

1886年
⽇本薬局⽅初版

1956年
初代会⻑ 緒⽅章

1957年
会報第1号

1962年
サリドマイド

1969年
医薬品研究発刊号

1973年
薬学会館

1981年
⽇局試験法研究開始

1989年
ICH設⽴

1991年
⽇局標準品

1992年
JPF発刊号

1997年
MedDRA/J JMO事業開始

2006年
第1回エキスパート研修会

2007年
⼤阪事業所設⽴

2011年
財団名称変更

2012年
薬害教育映像

2015年
JMO事業部 ISO9001取得

2021年
医薬標準品センター開設

MESSAGE FOR FUTURE

未来に向けて
職員からのメッセージ

これまでの歩みを次世代へつなぐ

JMO事業部 32年⽬

本年6⽉、当財団は発⾜から70周年を迎えました。⻑年にわたり事業を継続し、皆様にご利⽤いただけたことに深く感謝申し上げるとともに、当財団の礎を築かれた先⼈の⽅々のご尽⼒にあらためて敬意を表します。
私⾃⾝も約30年間在籍し、各事業部の発展、組織の拡⼤していく過程を共にしてきました。
とりわけ、JMO事業では、MedDRAのデータ関連、電⼦媒体の取り扱いや情報共有の⽅法が⼤きく変わり、今ではWeb公開とダウンロードが当たり前となっています。利⽤権購⼊の仕組みも、当初は珍しかったものが今では⼀般的にサブスクリプションとして認知されています。さらに、Web会議やWebinarの普及、ISO認証取得、在宅勤務の導⼊など、働き⽅やコミュニケーションも⼤きく変化しました。今後も、多⾔語対応や他の⽤語集とのマッピング、AIを活⽤したコーディングの実現など、より⾼度なサービスが求められる時代に⼊ります。次の世代へ確かな形で事業をつなぎ、医薬品・医療機器等の安全性と品質向上に貢献していきたいと考えております。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

公定書協会からPMRJへ。11名体制から
100名へ。

公定書・出版部 45年⽬

現在財団は、約100名で運営されていますが、筆者が財団に来た 約40年前は、渋⾕事務所に会⻑、事務局⻑以下5名、外部出向5 名の計11名が在籍しているのみでした。最初は国衛試に出向 し、その後渋⾕において機関誌とJPフォーラムの編集、研修会の運営、⽇局普及版/英⽂版とJPTIの発⾏、PMDAの委託事業など、様々な事業に関わってきました。
この中の委託事業では、⽇局委員会で審議された改正原案を作成要領に従い⽇局としての⽂章や表記を鑑みて、技術的に校正する作業等を⾏っています。⽇局全体を把握してその内容を理解することが必要で、部内の様々な⽬で精査し作業を進め、度々PMDAに質問を投げかけて間違いのないより整った原案にすることを⽬標にしています。
⽇局は明治19年に公布された初版から現在まで医薬品の品質確保に重要な役割を果てしています。この⽇局に僅かですが関り、その他の事業においても医薬品の品質や安全性に少しは貢献できたのではないかと思っています。

家族や職場へ 感謝の気持ち

総務部 41年⽬

⻑く勤務していると、家族構成や健康状態が変わります。私はこどもの頃から運動や体育が苦⼿で部活動も未経験でした。40代前半にメタボリック症候群予防のため、職場のそばのスポーツクラブに⼊会しました。
50歳代で家庭での役割もほぼ終わり、仕事により軸⾜を置けるようになった頃マラソンを始めました。
よく孤独なスポーツといわれますが、私の知⼈⽈く「マラソンは集団スポーツだ」と。⼀⼈では40km超の距離を⾛れません。ともにゴールを⽬指す⼈たち・⽀える⼈たちがいるからできるのです。送り出してくれる家族や職場あってのランです。誰かに⽀えられていると、年を追うごとに感謝の念は強くなりました。
肝⼼の健康に関する数値は劇的な改善はありませんが、年齢的に⾛れる期間は限られてきました。
⼤会参加を⽬的に⽇本・世界を巡るランナーは多く、私は約30都道府県です。
今後は仕事に集中しつつ、ワークライフバランスも考えたいと思います。

レギュラトリー・サイエンス(RS)に携わる⽅々の専⾨性向上に資する研修を継続的に提供し、RSの発展に少しでも貢献していきたい

研修事業本部 9年⽬

2007年、製薬企業などの開発業務担当者向け研修を検討するアドバイザリー・グループが財団内に設置され、外部委員として参画したことが財団主催研修との最初の関わりでした。
その後、2018年に財団へ⼊職し、今度は内部の⽴場から研修事業に携わることとなりました。
研修内容については、開発部⾨への異動者を主な対象とした医薬品開発全般や周辺領域を幅広く学べる総合コースを中⼼に、最新のトピックや課題についても取り上げ、背景情報を含む全体像の理解を⽬指した研修会を企画してきました。
運営⾯では、2020年のコロナ禍という想定外の事態により研修事業継続が危ぶまれましたが、部⾨職員が⼀丸となって対応し、半年後にはwebinar形式で研修を再開することができました。
今後もレギュラトリー・サイエンス(RS)に携わる⽅々の専⾨性向上に資する研修を継続的に提供し、RSの発展に少しでも貢献していきたいと考えています。

国際的な舞台で対等に議論できる⼒の必要性を強く感じ挑戦を決意

医薬標準品センター標準品事業部 15年⽬

この度、財団の博⼠号取得⽀援制度を活⽤し、博⼠号を取得いたしました。 近年、国内外の研究者と議論を交わす機会が増える中で、⾃⾝の知⾒をさらに深めるとともに、国際的な舞台で対等に議論できる⼒の必要性を強く感じ、本制度への挑戦を決意いたしました。
仕事と研究の両⽴は決して容易ではなく、多くの時間とエネルギーを要しましたが、財団からの⾦銭的⽀援に加え、上司や同僚の皆さまのご理解とご協⼒に⽀えられ、無事に修了することができました。この場を借りて⼼より感謝申し上げます。この数年間で得られた経験は⾮常に貴重であり、⾃⾝の成⻑と⼤きな⾃信につながりました。
今後、同様の挑戦を考えている⽅にとって、本制度が⼀歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。挑戦の過程で得られる学びや成⻑は⾮常に⼤きく、必ず⽇々の業務にも活かされると実感しています。
挑戦の過程で得た学びや知⾒を今後の業務に最⼤限に活かし、成果につなげていくとともに、財団の発展に貢献してまいります。

国際共同検定に試験責任者として携わる機会を得て博⼠号取得に挑戦

医薬標準品センター標準品事業部 11年⽬

私は、キャリアアップ制度(博⼠号取得⽀援制度)を活⽤し、2026年3⽉に⼤学院を修了し博⼠号を取得することができました。
博⼠号取得に当たり、温かいご指導と多⼤なるご⽀援を賜りましたすべての皆様に、⼼より感謝申し上げます。
博⼠号を取得しようと思ったきっかけは、国際共同検定に試験責任者として携わる機会を得たことでした。
学⽣時代に海外とやり取りする上での博⼠号の重要性をよく聞かされていたため、コロナ禍で時間が空いたこと、さらに財団のキャリアアップ制度が新設されたこともあり、挑戦を決意しました。
3年間という期間は⻑いようで短く、これから挑戦する⽅は、健康を第⼀に、限られた時間を意識しながら計画的に取り組み、1年1年を⼤切に過ごしてほしいと思います。
今後は、博⼠号を取得する過程で学んだ研究者としての姿勢や思考を⽇々の業務に⽣かすとともに、財団の発展に少しでも貢献できるよう努めてまいります。

これまでに培ってきた経験や技術を次世代へつなぐために

医薬標準品センター標準品事業部 25年⽬

⼊職当時は、数名の体制で標準品の原料調達から品質評価試験、製品化、受注・発送までの業務を担っていましたが、現在は職員数も増え、体制や業務環境も⼤きく整備されました。品質評価業務に携わる中で、上司や先輩⽅から多くを学び、精度と信頼性を⾼めるため試⾏錯誤を重ねた⽇々が思い出されます。
医薬品等の品質を⽀える国家標準を製造し、頒布する業務に携われることに、⼤きな責任と誇りを感じてきました。
国⽴医薬品⾷品衛⽣研究所からの業務移管や施設移転、ISO認証取得など多くの節⽬を経験し、その達成感は今でも⼼に残っています。これまでに培ってきた経験や技術を次世代へつなぎ、今後も医薬品等の品質確保と向上に貢献していきたいと思います。

医薬品の品質確保に確実に貢献できる職員を⽬指して

医薬標準品センター標準品事業部 2年⽬

私が製薬業界の中から当財団を選んだ理由は、もともと医薬品の安全性や品質に関わる分野に興味があったからです。
中でも医薬品の品質維持に不可⽋な標準品事業は公共性が⾼い重要な業務で、やりがいを感じて⼊職を決めました。
⼊職前は専⾨性の⾼さに不安もありましたが、先輩⽅の丁寧なご指導により、安⼼して業務に取り組めています。
約1年間の勤務を通して、ユーザーの多さや局⽅改正に伴う新規品⽬の増加、試験の難しさなどを感じ、事業の重要性をより実感しています。
まだ経験・知識ともに⼗分ではありませんが、⼀つひとつの業務に真摯に向き合って理解を深め、将来的には医薬品の品質確保に確実に貢献できる職員へと成⻑していきたいです。






医薬品の品質確保に⽋かせない仕事ができていることに誇りを持って

医薬標準品センター標準品事業部 2年⽬

⼤学で学んだ薬に関する知識を⽣かしたいと思い、製薬業界に興味をもち、企業調べをしていく中で⾒つけたのがきっかけで、当財団に⼊職を希望しました。
実際に、標準品の製造・頒布という唯⼀無⼆の仕事に携わり、⽇々、医薬品の品質確保に⽋かせない仕事ができていることに誇りを持っています。
実際に勤務してみて、⼀⾔に標準品の製造・頒布といってもたくさんの仕事の種類があり、1つの標準品を作り出すまでに多くの⼈の⼿が携わっていることを⾝に染みて感じました。
また、エンドトキシン試験法など⽇本薬局⽅の⼀般試験法を中⼼とした技術研修会を開催しており、標準品の頒布に限らず、技術情報の普及や交流を深めるための活動もしており、実際に標準品を使⽤してくださっている⽅と直接交流できる機会があることに驚きました。
今後は、標準品の品質評価試験に関して、⾃信を持ってできるようになりたいです。
また、英語を勉強し、海外の薬局⽅についても積極的に勉強していきたいと考えています。

社会において医薬品の品質を根幹から⽀えるという財団の役割を魅⼒的に感じて

医薬標準品センター標準品事業部 1年⽬

製薬業界の中から財団を選んだ理由は、特定の製品に限らずに幅広い医薬品の品質や安全性を⽀える仕事に携わりたいと考えたからです。⼤学で薬学について学び、実習にて病院で患者さんや医療従事者の⽅々と接したときに、医薬品の品質の重要性について実感しました。そして、社会において医薬品の品質を根幹から⽀えるという財団の重要な役割を魅⼒的に感じました。
現在は先輩⽅の丁寧な指導の下で業務に取り組んでいます。
OJTにて先輩に教えていただきながら、座学や実験を進めており、標準品の重要性や試験⽅法の正確性を⽇々意識しつつ基礎から理解を深めています。
⼊職したばかりでまだまだ学ぶことが多くありますが、⽇々経験を積みながら着実に成⻑して、医薬品の品質を守る⼀員になりたいと考えています。

PRESIDENT AND
CHIEF EXECUTIVE OFFICER

歴代会⻑・理事⻑

会⻑

  • 緒⽅ 章1956.6 〜 1962.1
  • 刈⽶ 達夫1962.1 〜 1968.6
  • ⽯館 守三1968.6 〜 1972.5
  • ⻑瀬 雄三1972.5 〜 1976.11
  • 川城 巌1976.12 〜 1984.7
  • 下村 孟1984.7 〜 1988.3
  • 鈴⽊ 郁⽣1988.7 〜 1995.7
  • 内⼭ 充1995.7 〜 2000.7
  • 寺尾 允男2000.7 〜 2003.6
  • 内⼭ 充2003.7 〜 2006.7
  • 寺尾 允男2006.7 〜 2020.9
  • 奥⽥ 晴宏2020.10 〜


理事⻑

  • ⼟井 脩2006.8 〜 2019.12
  • 中垣 俊郎2020.3 〜