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技術情報

日局エンドトキシン標準品の溶解、希釈には十分な撹拌が必要です

エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁構成成分の一つで(図1)、自然界に存在する最も強力な発熱性物質として知られています。環境中の至る所、例えば水道水中にも発熱を起こす量のエンドトキシンが存在します。それらは耐熱性を示し、通常のオートクレーブ処理では容易に失活しません。ただし、日局エンドトキシン標準品は高度に精製されたエンドトキシンですので、希薄溶液の状態では室温で放置すると徐々に失活しますので注意が必要です。

化学構造的には、エンドトキシンは脂質と糖鎖からなるリポ多糖で、両親媒性によって水溶液中では見かけ上の分子量が数十万から数百万に及ぶミセル会合体を形成します(図2,図3)。水溶液中におけるミセルの大きさ、すなわちエンドトキシンの分散状態は活性に大きく影響しますので、エンドトキシン標準品の溶解時にはボルテックスミキサーなどを用いて5分間激しく撹拌する必要があります。また、標準原液を段階希釈する際にもボルテックスミキサーなどを用いて1分程度激しく撹拌して下さい。

エンドトキシン標準原液(10,000 EU/mL)の活性は1~8℃で保存すれば2週間安定ですが、上述のようにエンドトキシン標準溶液は濃度が薄くなるほど失活や容器への吸着が起こりやすくなりますので、標準溶液は用時に調製し、できるだけ速やかにご使用下さい。

図1.グラム陰性菌の細胞壁構造
図1 グラム陰性菌の細胞壁構造
図2.エンドトキシン*の電子顕微鏡像
   *E. coli UKT-B由来
図2 エンドトキシンのミセル構造モデル
図3.エンドトキシンのミセル構造モデル(例)
図3 エンドトキシン(日局標準品)の電子顕微鏡像

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